2. 解毒

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「もしかして、それでずっと悩んでいたの?」  コクンと頷くと、フローラは腕を組んで思案しだした。 「正直、わたくしにはその感覚は分からないわ。だって、誰と番ったって何とも思わないもの。余程ヘタな奴じゃなければね。でも、天使たちは誰と番うかって言うのをものすごく気にするわよね。『寝取る』だとか『不倫』だとか言う表現があるくらいだし。まぁこの場合はされる側じゃなくてする側になるけど。でもアイリスは天使じゃないのは間違いないし」 「やっぱり変よね……私」 「んんーーー。そうねぇ、変わっていると言えばそうだけど。それって単純に、知らないから怖いんじゃないの?」  アイリスが首を傾げると、フローラが続ける。 「セフィロス様以外の方のお相手をした事がないから不安なんじゃない? 普通は子供ができるまで1人とだけしか番わないなんてことしないのよ。だから誰の子供かは、生まれてきた本人が言うまで分からない訳だけど」 「不安なだけ……」 「って、わたくしは思うけど。出来るかどうか不安だな、怖いなってことも、してみたら意外と何て事なかたってことあるでしょ。今アイリスが悩んでいる事もそんなものよ」  そう言えば、癒しの力を使えるかどうかを試した時もそうだった。フローラの言う通り、やってみたら意外と出来ることってある。 「そうなのね……。そうよね、うん。なんだかちょっと元気が出たわ」
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