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セフィロスは1週間まえから地上に降りている。もともとはひと月前から地上に降りる予定がだったのだが、アイリスの出産まではと先延ばしにしてくれていた。
無事に夏の神が生まれ神気の扱いに問題が無いことを確認すると、これ以上先延ばしにすることも出来ず地上に降りていった。
披露目の儀に関することは天界に残っている風の副守護天使長のネリダやエレノア、他数名の風の天使たちがテキパキと準備を整えてくれたので、セリノスや夏の天使たちと1週間ほど楽しく過ごしていただけで、アイリスはほぼ何もしていない。
「10年なんてあっという間よ」
「アイリス様、ご存知ですか? 離れている時間が愛を育むのですよ。たくさん会う時間があるからと言って幸せなのではなく……」
「ああー、また始まったよ。もういいよ、ヴィーナス。何万回も聞いたから」
「んもう、セリオン様。アイリス様にはまだ1度も話したことありませんよ!」
いや、アイリスも記憶にある限り10回以上は聞いた。
「夏の神が生まれて、これでやっと四季の神が揃ったわね」
セリノスが春の女神、秋の女神、冬の神と一緒に談笑している。セフィロスはアイリスの懐妊を知ると、恐らく子供は夏の神だろうと予想していた。
先に生まれていた四季の神は皆セフィロスの子。春の女神はフローラと、秋の女神は山の神であるエトナと、冬の神はセリオンとの子。
『風が季節を運ぶから』
そう、セフィロスは言っていた。
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