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12. 命令
「セフィロス様、ようこそお越しくださいました」
急な訪問だったけれどいつものようにセフィロスと風の天使を迎え入れようとすると、ここでいい、と静止された。何だかいつにも増して表情が硬い気がする。
「すまないがあまり時間を取れない。今日は急ぎの用があって来た」
「急ぎ……ですか? 何でしょうか」
「近頃、力の神とよく会っているみないだな」
「ダイン様ですか? はい、良くしていただいておりますが」
バジリスクでの一件以来、何の縁か会う機会が度々あって今では大切な友達の1人となっている。何度も一緒に出掛けているし、そろそろセフィロスに家の場所を教えて招いてもいいか聞いてみようと思っていた。
「私が良いと言うまでダインとは会うな」
「え?」
突然の命令にセフィロスの意図が読めない。これまでアイリスの交友関係にセフィロスが口を挟んできたことなんて1度もない。他の神との関わりを広げるのはいい事だと、いつでも見守ってきてくれたのに。
「それは……どう言う意味でしょうか。ダイン様に何かありましたか?」
「其方の神気に当てられているかもしれない。褒賞を貰う相手に其方を指名してきたらしい」
「そ……それは私とたまたま最近お会いする機会が多かったからではないでしょうか。よく知らない女神からよりも打ち解けた仲の方が良かったのでしょう」
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