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ダインと会っていて襲われそうになった事はない。変な様子だって無かった。
それにダインとは1階級しか違わないヴィーナスとはよく会っているけれど、1000万年たった今でも自分の神気に当てられてない。
「ヴィーナス様とよくお会いしますけど、私の神気に当たった事などありません。ダイン様との仲はつい最近ですしそんな事は……」
「神気と言うのは異性の方がより強く作用する。其方もそれは分かるだろう? 良いな、ダインとは手紙のやり取りを含めて当面は交流を持つな」
「……」
絶句して黙っていると「良いな」と語気を強めて念を押された。そうなればアイリスは従うしかない。
「分かりました……」
セフィロスの急ぎの用事と言うのはこの事だった様で、その後直ぐに帰ってしまった。
ショックだ。
大切だと思っていた友達の1人と、こんな形で縁を切られてしまうとは。
はあぁぁー、とため息をつきながらソファに座ってクッションに突っ伏した。
「セフィロス様はアイリス様の身の安全を考えられての事ではないですか」
心配顔のジュノが淹れたてのお茶を持ってきてくれた。
「分かっているわよ……。御命令には従わないと」
絶対に。
そうでなければ今度こそ、こんな言う事を聞かない女は無理だと捨てられてしまうかもしれない。それだけは避けなければ。
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