14人が本棚に入れています
本棚に追加
「アイリス様に、次はどんな子供が生まれるのか楽しみですね!」
「そうね。最上級神様達との子だけでも、まだあと3人は生まれるものね。あと上・上級神と中・上級神との子供ってなると結構な人数だわ」
「2人とも気が早いよ。やっと1人目の披露目の儀をしてるって言うんだから」
3人の会話にアイリスは頭が真っ白になる。
「つぎ……の、子……」
なんで今まで気が付かなかったのだろう。
神の子は一組の男女に一人だけ。
生まれて一番初めにアレクシアから教えてもらったことだ。
いずれ自分も色んな男神との子供を生むんだろうと、そう思ったのではないか。
アイリスはセフィロスと結婚の契りを交わしている。でもそれは、天使たちのそれとは違う。
貞操観念も、不倫などと言う概念もない。
主の許可さえあれば、他の神と交わり神気を与える事もあるし、子を成すことも当然ある。
『其方にとっては最初の子で、私にとっては最後の子だな』
セリノスが生まれた時に言っていたその言葉の意味を、今になって気がつく。
「アイリス? どうしたのよ。顔色が悪いみたいだけど」
フローラがパタパタとアイリスの顔に手を振る。
「あ……、えっ、そうかしら。ちょっと気が抜けたみたい」
「そう? それなら向こうで少し休みましょ」
その後の事は覚えていない。
みんなと何を話したのか、セリノスと別れの言葉を何と交わしたのか、どうやって帰ったのか。
アイリスの心から、色が消えた。
最初のコメントを投稿しよう!