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「アイリス様? どちらへ行かれるのですか」
外の空気を吸いたくなってテラスから外に出ようとした所でジュノに呼び止められた。
「ちょっと散歩に出掛けてくるわ。付いてこなくても大丈夫、虹の滝を見に行くだけよ。何かあったらエルピスに飛び乗って逃げるから」
「……分かりました。あまり遠くへは行かないでくださいね?」
「ええ、すぐ戻るわ」
虹の滝を見ていれば少しは気持ちが落ち着くかもしれない。
そんなことを考えて来てみたけれど全然ダメだった。
この淀んだ気持ちを何処にぶつけたらいいのか分からなくて叫び出したくなる。
「ダメね……」
こんな気持ちのままで次にセフィロスに会ったらきっと、ロクな事にならない。
誰に相談しよう……。フローラ、セリオン、それともやっぱりヴィーナス?
「リアナ様かなぁ……」
リアナなら花の門をくぐれば直ぐに水の神殿へ行ける。
エルピスを心の中で呼ぶと、直ぐに茂みの向こうから美しいユニコーンが掛けてやってきた。
「リアナ様に会いに花の門へ行きたいの」
『御意』
近くの町までエルピスに送ってもらうと、アイリスは辻馬車に乗って花の門へと向かった。
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