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13. 処分
セフィロスは今見せられた記憶にギリリと歯噛みする。
再び押し寄せる殺意を抑えるのは容易ではない。
「遂にと言うべきか、とうとうと言うべきか……」
太陽の神・フレイは額に手をやり重くため息をついた。
太陽の神殿の会議室では最上級神が集まり、先程ダインの記憶を雷の神・セトに見せてもらった。
セトは神の中で唯一他者の記憶を見る事が出来、そしてその記憶を他の者にも見せることが出来る。だからこそ最高裁判官の役割をしている。
セトに見せてもらったのはアイリスに水の門の近くで偶然会った所から、セフィロスに殺されかかる所までの一部始終の、生々しいダイン目線の記憶。
「私の娘になんて事を……っ! 今すぐ息の根を止めてやるわ」
「リアナ落ち着きなさい。君も見ただろう? アイリスが懇願したから力の神は今も生きているんだ。じゃなきゃとっくに跡形もなくバラバラになっているよ」
「こうならない為に契りを交わしたと言うのに……すまない」
「セフィロス、君が謝る事じゃ無いだろう。アイリスの様子はどうだい?」
頭を横に振って答えると「そうだよね」とフレイはもう一度ため息をついた。
アイリスの自宅へ行き面会を求めても「誰とも会いたくない」の一点張りで、部屋に閉じこもったまま出てこない。
無理矢理に入って会うべきかどうか考えあぐねている。
「いいわ、私が会ってくる。こう言う時、気の利いた事のひとつも言えないセフィロスになんか任せてられないわ」
怒り心頭な様子のリアナはこちらを睨みつけると、自分の守護天使長を連れて会議室を出ていった。
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