13. 処分

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「あれ程アイリスには近づくなと言ったでしょう?」  薄暗い部屋の中で、身体中を包帯で巻かれベッドの上に座るダインにルナは問う。  「なぜ」と。 「……今ならよく分かります。アイリス様が何故あれ程までに囲われ、守られていたのか。セフィロス様が隠したがっていた訳が。一度口にしたら抜け出せなくなる。あの方はまるで薬物(ドラッグ)のようだ」 「君は『力』を司る神。誰よりも純粋に力を欲してしまった、そういう事なんだろうね。君のその傷は、傷口は塞がっても痛みは残り続ける。セフィロスの癒しの力でなければ治せない。これが君に下す罰だよ」  ふっ、と力なくダインは笑うとベッドから立った。 「これからどこへ行くつもり?」 「……地上へ。天界(ここ)にはもう居られません。またいつあの方に手を出そうとするのか分かりませんので」   「地界、と言う答えじゃなくて良かったよ。じゃなきゃ君をここで殺さなきゃならなかった」 「邪神になるほど落ちるつもりはありません。ルナ様、お世話になりました。それでは俺はこれで失礼します」  自分の守護天使と契約を切ったダインは一人、地上へと降りて行った。  力の神が虹の女神を襲ったことは公には伏せられた。  それがルナが、これまで自分の部下として働いてきてくれたダインに掛けた情けだった。
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