コンテスト

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コンテスト

「やった!」 わたしは電車の中でスマホを見て小さく ガッツポーズをする。 さっき、ランキングを見たら十位になっていた。 まだ一位には程遠いけど、大きな前進だ。 わたしは、小説を書き始めた。 と、同時にマリーの新作小説がアップされた。 『さよなら、初恋』とある。 わたしはすぐさま、読む。 十分程経ち、全てを読み終えた。 悔しいけどマリーの小説の方が面白い。 登場人物も魅力的で主人公の 切ない感情の描き方も天才。 『さよなら、初恋』はすぐさまスター(応援)が二十個溜まる。 わたしのは五個なのに。 やっぱりマリーは天才なんだな。 必死にマリーの背中を追いかけるけど、 マリーは遠い。 でも、諦めない。 わたしは絶対に神作家になるんだから。 ホーム画面に戻ると コンテストを開催していた。 受賞作品は書籍化されるらしい。 わたしはマリーに 『どっちがコンテストで入賞するか、 勝負しましょう!』 とメッセージを送る。 『望むところよ、 まぁわたしが入賞するに決まってるけどね』 わたしはイラッとしながら 返事を打つ。 『絶対勝ってやる』 電車の扉が開いたことに気づきわたしは 駆け足でホームに出た。 そして、コンテストの小説の構想を練ったのだった。
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