硝子の城の大魔王

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* 「はぁ…やれやれですな。」 「今回はずいぶんと苦労しましたな。」 勇者・ライアンの後ろ姿をみつめながら、男達はどこか晴れやかな顔をしていた。 「ところで、次もまた続けられるおつもりで…?」 「当たり前ではないか!」 「しかし、都会の方ではもうずいぶん前から このゲームは廃止されてるとの話ですぞ。」 「当然ですな、こんなに長い時間と手間と資金を費やすのですから。」 男達の大半は、渋い顔をしていた。 「こ…この…たわけ者めがーーーっっ!!」 突然、発せられた雷のような大声に、男達は、目を見開き、顔を強張らせた。 「おぬしたちは忘れたのか…! この山奥村が、勇者ゲーム発祥の地であるということを… 山奥村の誇りを忘れたのかーーーーー!」 老人の魂のこもった叫び声に、男達は決まりの悪い顔を見合わせた。 「思い出せ……おぬし達が勇者になった時のことを… 町を上げて、皆に歓迎されたあの輝かしい日々のことを……!」 老人のその言葉で、男達の脳裏には過ぎ去った、遠きあの日の記憶が鮮明に呼び起された。
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