プロローグ

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プロローグ

久しぶりに飲んだ酒の銘柄が、俺の記憶を蘇らせる。それは、・・・ あの時、俺は若かった。 いや、子供だった。 大人達に煽てられ、担がれて俺はその気になっていた。 役にも立たない家来を連れて 乗り込んだ所が、小さな島だった。 奴らが奪った財宝を奪い返しに俺は此処に来た。 正義の旗を振りながら、俺は奴ら殺し退治した。 逃げ惑う奴らを俺は許す事なく殺した。 持ち帰った財宝を、俺は村の人達に分け与え、俺はヒーローにされていた。 ヒーローになった俺は傍若無人に振る舞った。 村人はそれを許したが、心では許してはいなかった。 時が経つにつれ俺は疎外され孤独となる。 今、冷静に振り返ってみると、 あの時の奴を退治したのは、正しかったのか? 子供の俺に退治される奴らに、他人の財宝を奪い取れるのか? しかも、家来は役立たずの三匹だ。 本当に奴らは悪者か? 俺のやった事は唯の強盗か?! 後悔の念が湧き上がる。 そう、私は「鬼殺し」 この酒の銘柄と同じだ!
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