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4 私は雑炊を食べる手を止めて聞いた。 「お爺さん、今の時代は、何時代ですか?将軍様の名前はご存知ですか?」 お爺さんは、驚いた様な、怪訝な表情を浮かべ 「何時代だって?将軍様?どう言う意味じゃ!坊や」 「解らないのですか?だったら此処のお殿様は、誰ですか?」 「お殿様? 婆さんや、お殿様って何じゃいな?」 「わたしも、初めて聞いたの〜(*☻-☻*)  坊や、お殿様ってなんじゃいな」 「此処で一番偉い人ですよ。権力者です。居ないのですか?」 「一番偉い人って、婆さん。知っているかい? それに、権力者ってなんじゃいな?」 「偉い人と言ったら、爺さんや。隣村の彦爺かの? みんな、彦爺の言う事は、良く聞いとるからの」 「そういえば、彦爺の事だわ。彦爺の意見が、皆んな尊重しているからの。」 ……彦爺さん?この村は年寄りの集まりか?…… 不思議に思い、 「お爺さん、此処の村で若い人は、居ますか? 何人ぐらい住んでいるんですか?」 「若い人も多勢居るよ。何人ぐらい住んでいるかの? あんまり解らんが、500人は居るじゃろう。知らんけど」
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