3人が本棚に入れています
本棚に追加
7
美味しそうに見えたので黙って食べた。
「昨日の事って言うとね、( ◠‿◠ )・・・・」
老婆は萎びた声で話しかけてくる、笑みを浮かべながら。
「お爺さんは山に芝刈りに、私が川に洗濯にしに行くとね。
大きな桃がどんぶりこ、どんぶりこって流れてくるんだよ」
……ちょっと待って、これって昨日息子に聞かせた桃太郎でしょ……
と、叫んでみたが心の声では届かない。
「桃かと想って、嬉しかっただけど、よく見ると小さな舟だったんだ。その中に、坊やがいたんだよ。」
「僕が、その舟の中にいたのですか?」
「そう、一人でいたんだよ。何故か解らないけど。一人でいたんだよ。坊や、何故一人で来たのか覚えて無いかい?」
「ぜんぜん、覚えてないですよ。だって昨日の事も覚えて無いんだから。あの〜このお肉は何でしょう?」
と、僕は摘んで見せた。
「これは、爺さんが鉄砲で撃ったキジだよ。美味しいだろう」
「キジですか?鳥のキジですか?」
「そうだよ。鳥以外にキジってあるんかい?(*☻-☻*)」
と、不思議そうに老女が言う。
「キジって食べ物ですか?」
「可笑しな事言う坊やだね。キジって食べれるよ。
最初のコメントを投稿しよう!