age difference couple〜幼なじみ〜

2/13
前へ
/13ページ
次へ
「あら、夏月(かづき)くん。久しぶり」 息の乱れを整えながら、 出迎えてくれた彩子の母に頭を下げた。 「すっかりオトナになって。4年ぶり? 大学は大阪に行ったのよね」 「あ、はい。お久しぶりです。彩子は?」 「いるわよ。とりあえず、中に入って」 「お邪魔します」 玄関先で靴を脱いだ俺は 彩子の母に導かれ、リビングに向かった。 ドアの向こう側。 彩子はこちらを向いてソファに座り、 まるで俺が来ることを知っていたかのように 穏やかな微笑みを浮かべていた。 「夏月、久しぶり」 「うん」 27歳の彩子は 会わない間に更にキレイになっていて、 俺は一瞬、言葉を詰まらせた。 「もうすぐ大学卒業だね。おめでとう」 彩子に言葉をかけられ、苦笑いした。 「自分は結婚じゃん」 「おめでとうって、言ってくれないの?」 彩子は微笑みを絶やさず、俺を見つめた。 「今日は彼氏と会わないのか」 「会わないよ」 「じゃあ、ドライブしよう」 「いいよ」 彩子がソファから立ち上がり、 キッチンでお茶の準備をしていた彩子の母に 声をかけた。 「夏月と出かけてくるね」 「あ、お茶は?」 「いらない、大丈夫。行こう」 彩子が俺の腕を取った。 「お邪魔しました」 俺は彩子の母に再び頭を下げて、 彩子と共にリビングを後にした。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

53人が本棚に入れています
本棚に追加