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「おいかけろ」
「おいかけて」
(えっ…)
どこからかそんな声が聞こえてきたと思ったら、
(ど、どういうこと…)
老若男女が私を追い越すように走ってきた。
その雰囲気にのまれて私もとまどいながらすこしずつ歩調を
早めた。
(何があるの)
私は走り出していた。
何度か角を曲がり、太い道、細い道を交互に走っていた。
風がつよくなったり、雨がふりだしたりもした。
足を止めそうになった時。
(ま、まぶしい…)
一瞬の強い光に目を閉じた。
気が付くと私だけしかいなかった。
いったいみんなはどこへ・・・
何をおいかけていたの・・・
そして、目を開けた。
私は手術台のベッドに寝ていて、
看護師さんの優しい顔を見つけた。
「無事に終わりましたよ。大丈夫ですよ。」
私はもう少し何かをおいかける事が出来そうだ。
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