わたしが住み着いています

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   ひとりで広い寝室に寝るのも寂しいので、村正も今日は自室で寝ることにした。  今日ここを使うと言っておいたわけでもないのに、綺麗に整えられている部屋。  ベッドサイドのテーブルには、ちょっとした飲み物まである。  ここは快適すぎるな。  なんのアイディアも浮かばなさそうだと村正は思っていたが。  この暮らしをやめようとは思わなかった。  あやめが楽しそうだからだ。  なんのために、あやめに引っ付いているのかを考えれば。  本末転倒だな、と思いはしたが、あやめが快適なようにしてやりたいと思ってしまう。  でも、こういう気持ちこそが、ムラマサの開発に必要なもので。  自分に足りなかったものだろうとわかっていた。
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