夢見る胡蝶はわからない

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 時折、いや、最近は頻繁に後悔をする。そして自分自身に問い続ける。 ーー 一体、どこで選択を間違えたのだろう?  いや、初めから間違っていたのか?どうしてこうなった?私はなんだ?何者だ?  なんの力を持って生まれた?何故こんなにも俯瞰的にしか物事を捉えられない?本気になれるものは役に立たず、けれども求められるものは持っていない。  どこかで狂ってしまっている。計画でもなく計算でもなく、狂ったのは自分自身だ。他人の不幸も自分の惨めさも、笑える。  夢想ばかりに惚け、ありもしない世界にしか想いを馳せることしかできない。  私はどこでも他人事で、観測者で、傍観者で。  私はどこまでも、怠惰で、身勝手で、嘘つきで、傲慢で、強欲。  社会から弾き出される、負の遺産の一つ。  面白さだけを追求してきたのは、間違いだったのかもしれない。もっと合理的に、もっと機械的な人間であれば良かったのかもしれない。  だから私は、私を愛せない。信じれない。  ーーーーーーー大嫌いだ。  散らかった部屋に閉じ籠り、何も考えられない、手がつかない日が続く。あれだけ好きだった楽器も、最近は弾く気すら起こらない。  漠然とした不安で、涙まで出てしまう。  悲しさ?寂しさ?恐怖?  私の終着点は、一体どこにある?  私の終着点は、一体いつになる?  まあそうだな。あと20年くらいとでも思っておくか。
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