忌贄の花嫁の甘やかし方

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むかしむかし、1匹の龍が大国を築きました。 龍は龍神と呼ばれ国の王として民に愛されていました。 ある日、その国に人間が迷い込み龍と出会いました。龍は慈悲深く、迷い込んだ人間を自分の屋敷へと住まわせてあげたのです。 人間と過ごすうちに龍はその人間に恋をしました。また、人間もその龍に思いを寄せていました。 2人は思いを伝え合い、仲睦まじい夫婦になりましたが、別れは突然やってきます。 人間の寿命は短く、龍と添い遂げることは出来なかったのです。 龍は嘆き悲しみ、人間の骸を抱きしめて大国に生える生命を司ると言われている息吹の大樹の前で泣きました。 息吹の大樹はそんな龍を哀れみ、願いを1つ叶えてやると申し出たのです。 龍は願いました。 「私の命と引き換えに、今後産まれてくる新たな龍の子が永遠に花嫁を愛し添い遂げられる様にして欲しい」 息吹の大樹は龍の願いを聞き届け、龍は人間の骸を抱きしめたまま眠りにつきました。 その後、新たに誕生した龍の王は永遠の命を息吹の大樹から授けられたのです。そして、運命に定められた龍の花嫁もまた永遠の命を持って産まれました。 こうして龍の願いは叶えられたのでした。
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