第一話 すまじきものは宮仕え

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  ――ああ、なにゆえ……。    ぽつりと浮いた青い火霊(ひだま)が、縄張りである池の(ほとり)で揺れて嘆いていた。その嘆きに耳を貸す者はなく、そこでは(みずち)が人を喰っていた。  恐らくその火霊は、喰われている者の(こん)(ぱく)なのだろう。  あまりもの(さん)(れつ)に、蛙の化生は(せん)(りつ)を覚えたという。  彼も妖の一種だが、人は喰わない。  妖の中にはその妖を喰うモノもいる。次は己かも知れぬ。  そして自分も嘆くのだ。  静かに暮らしていただけなのに、なにゆえと――。
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