不動のナンバーワン

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 この日は締め日。月の指名本数、売上金額が確定する日だ。  営業終了後、この店を象徴する豪勢なシャンデリアの下にホストたちが集まってくる。シャンデリアを囲うようU字型に設置されたソファ席に、全員が腰を下ろした。  席の出入口に店長が立ち、ソファ席に座る全員を見渡す。髪を後ろに流したコワモテの店長は、売り上げ順位を口頭でたんたんと発表していった。  名前を呼ばれたものはさまざまな反応をしながらお礼を言い、他のホストが拍手でたたえる。 「一位は、売り上げ千五百万オーバー。律」  ホストたちの拍手に、律は軽く会釈する。女性を前にしたときのような愛想はなく、コメントもない。 「あいつ毎月毎月バケモンかよ」 「アフターも枕もナシでどうやって金とってんだっつの」  下の順位にいる幹部の言葉に、耳を貸すことはなかった。スラックスに手を突っ込み、気だるげに目を伏せる。 「じゃあ、今日は解散。来月もまたがんばれよ!」  店長の声で、ホストたちは散りぢりになる。アフターの予定がある幹部は店を出ていった。幹部以外のホストは私服に着替え、掃除だ。
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