夕方の事務所にて

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「ああん? 俺に小遣いでもくれんのか?」  メイコが眉をひそめて口を挟んだ。 「なんの話?」 「あ、メイコさん。おかえりなさい。指導に行ったんじゃないんですか?」 「今日は夏妃さんが来てくれてるの。だからお任せしてるわ。……で? なんの話をしてたの?」  腕を組んでむすっとした表情を浮かべるメイコに、優希はあっけらかんと返す。 「今回の人は長く続くかな~って。俺は続くと思うんですけど部長は続かないって。メイコさんはどう思います?」 「またそんなつまらないことで賭けを……」  メイコは額をおさえ、ため息をつく。優希は気にせず続けた。 「絶対に簡単にはやめないと思うんですよね~。なんか訳ありみたいでしたし。社長だってここにいたら絶対俺の味方してくれますよ」 「社長はそもそもこんなくだらない賭けはしません」  メイコが部長に視線を向けると、部長は同意を求めるように言った。 「おまえもわかるだろ。あのタイプはぜ~ったいにすぐやめるって」 「まあ、確かにそういう世界ですけど。一概には言えないんじゃないですか?」 「お? じゃあおまえも賭けてみるか?」 「なんでそうなるんですか……」
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