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部長のとなりにメイコは座る。メモ帳になにやら書き込んでいった。そのあいだも、二人はいくら賭けるだの下世話な話を続けている。
「いい加減つまらない話はやめてください。はいこれ、優希くん」
立ち上がり、書き込んだメモを優希に差し出した。
「これで新人さんの仮プロフィール作っといて。社長が来たら確認してもらうから」
優希は腰を上げて受け取った。
「了解で~す」
リビングにタイピング音が響く中、メイコの冷静な声が部長に向いた。
「部長は暇なら送迎についてください」
「なんで?」
「なんでって。そりゃそうでしょう。私、今、新人さんのフォローについてるんですから。私のぶんも車回してもらわないと」
「今出てるドライバーで足りてるんじゃねえの?」
「ハプニングが起こらないとは限りませんから。……ほら、もうすぐレンさんの終了時間せまってますから、早く車出してください」
「はーい」
メイコの言動に部長はしぶしぶ立ち上がり、事務所をあとにした。
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