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経済学や帝王学の本が似合いそうなアイシラからまさかそんな本を渡されるなんて思わなかった妹達は戸惑うが、そんな妹達にはお構い無しにアイシラは話を続ける。
「これは世に言う“ざまぁ”という展開の本なの」
「ざまぁ···」
「主に、婚約者のいる男性を好きになったヒロインが、相手の婚約者の女性に苛められ、最終的にそのライバルからの苛めを理由に蹴落とし婚約者に成り代わる話よ」
「最低なヒロインじゃないですか、人の男に手を出して成り代わるなんて!苛められて当然なのでは?」
「そして蹴落とされた元婚約者は“悪役令嬢”と呼ばれているわ」
「自分の男に手を出された挙げ句、悪役なんてレッテルまで貼られるなんて···!」
でも、苛めをした悪役令嬢も悪いのかしら?とそれぞれ話し合うが、今大事なのは。
「どうやら私が悪役令嬢らしいのよ」
「「はぁぁあ!?」」
コホン、と一呼吸置きアイシラは話を続ける。
「悪役令嬢には特徴があるわ。まず婚約者の男性がいること。そしてその相手との仲があまり良くないということ。更に身分の低い女性と噂があること、よ」
「ま、まさか···?」
「コリン様が···?」
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