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2.長女の悪役令嬢フラグへし折り宣言
妹達に家とアリバイ工作を任せ、月明かりを見上げる。
「そろそろいいわね···」
そう呟いたアイシラは、アイシラの使える唯一の魔法である『空間転移』を使った。
移動先はもちろん。
「な、え、だ、誰かいるのか!?」
「今晩は、コリン。貴方の婚約者、アイシラです」
「へっ!?アイシラ?」
月明かりに輝く黒曜石の髪に、淡いエメラルドの瞳を目一杯開き驚いていたのは、アイシラの婚約者であるコリンだった。
「え、な、なんで俺の寝室に?」
動揺を隠せずポカンとしているコリンを一瞥する。
「私思ったのです、何故世の悪役令嬢はヒロインに対してアレコレするのかと」
「ご、ごめん何の話···?」
「そもそも悪いのは婚約者がいるのに他の女にうつつを抜かす男ではないのかと!」
「え、凄い指指されてるんだけどまさか俺の話じゃない···よね?」
「そして解決策を持って参りましたわ」
ふふふ、と笑ったアイシラに本能的にマズイと気付いたのかコリンが後退るが、パチンと指を鳴らしてアイシラが陣取っているコリンのベッドにコリンを転移させる。
「えっと、アイシラ、何かしらの誤解があると思うんだが」
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