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「ご、ごめ、だってアイシラにそんなこと言われたら仕方ないっていうか···!」
「仕方ない?」
うぐ、と言葉を詰めるコリンをじっと見つめる。
「···俺との婚約は正式な物じゃないって知ってる?」
「え?」
「リーシェン伯爵家の婿になる為につけなくちゃいけない知識とか学ぶことが多くて、少しでも早く正式な婚約者になる為にずっと勉強してた。そのせいで寂しい思いさせてたならごめん」
「そ、そうだったのですか···?」
「アイシラに並べるだけの男にならないとって、デートとか···権利ない、から」
つまり、私と結婚する為に勉強してて時間がなかったということ···?
そこまで考え、でも他の女性とデートをしていた事を思い出すが。
「最近流行りのアクセサリーを取り扱ってる商団が男爵家にツテがあって。だからお願いして紹介して貰ってたんだよ。ついでにどういうのが人気かとかも聞いたりして」
「それがデートの正体···ですか?」
「やっとアイシラにプロポーズする許可を伯爵から貰ったから···」
そこまで説明したコリンは顔を赤くしていたが、それ以上にアイシラが真っ赤になっている事に気付いて破顔する。
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