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0章 緑と灰
見える物全て灰色一色に染められた世界
倒れた家や逃げ遅れた人、それらに引火した炎でさえも灰色に染まっていた。
だが、見える範囲の中で一色だけ色を保っている
《緑色》
灰色の世界の中で1人の少女が立っていた。
彼女は無気力なのか腕を下へと伸ばし、魂が抜けたみたいになって、喜びや悲しみの感情の動きに生気が消え失せた。
その少女が持っている緑髪と、緑の瞳だけが灰色に飲まれず、ただそこにあり続けた。
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