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帰りの電車を待ちながら、私はぼんやりと、ホームに立ち尽くしていた。
楽しかったし、嬉しかったけど、どこか悔しい気持ちもあったのは否めない。
長く佐野さんや恭司さんのファンであれば、お二人が認知するのも当然。まして、積極的に話しかけるようなメンタルがあれば。それは、松江での講演のときに思い知ったはずだった。
(驕ってたな……)
私にとって、佐野さんはたった一人だが、佐野さんにとって私は、大勢いるファンのうちの、いてもいなくても変わらない一人にすぎない。
ただここで、佐野さんに認知されることが目的になってしまっては、今後の推し活が楽しめなくなるのは明白だ。私にとっては、そっちの方が恐ろしい。
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