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前書き
色々と書きたいことは山々だが、そうすると長くなって本編が始まりそうにないから、そのきっかけを一つ、前書きとしようと思う。
佐野史郎と出会ったのは、十九になる春のことだった。きっかけは「世にも奇妙な物語」で見た『地獄のタクシー』という作品。
主人公の横暴さと、誰もが「ざまあみろ!」と言いたくなるような演技に、なんとも言えず惹かれた、高校演劇かじりの私。様々な作品やバラエティ番組を追いかけるうちに、はたと立ち止まった。
この熱量は、異常だぞ。これまでの人生で、ここまで他人に対して感情の加速を感じたことはない。本当に私は、この人の演技だけが好きなんだろうか。
「この人の演技が凄いんだ」家族や友達に熱弁する時には、確かにその気持ちが土台にあるんだけど、次第に「喋る時に口が尖るのがキュートなんですよ!」「今日は眼鏡が丸くて可愛いね!」などと派生していったのだ。
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