ママが雨を願う理由

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ママが雨を願う理由

ちいさな手がくしゃっとティッシュを丸める。 もう一枚のティッシュでそれをふわっとつつむ。 「はい、ママ。」 渡されたそのティッシュを包んだティッシュを輪ゴムでとめて、てるてる坊主の形にする。 「はい、どうぞ。」 「ありがとっ!」 おなまえペンでにっこりの目、点で描いた鼻、にっこりのお口。かわいすぎるだろ、天才かよ、我が娘。 「じゃーね、これを、まどにつるしてねっ!」 「うん、でも、ちょっとまって。」 娘のピンクのリボンがついたヘアゴムを輪ゴムの上から巻きつける。 「どう、可愛いでしょ?オシャレさせてあげたの。」 「まぁ、なんてかわいいのかちら、あなたはぷりんしぇしゅね!」 はい、我が娘、優勝!!あんたが一番のプリンセスや! 明日は晴れていいけど、明後日はまた雨降ってよね。また可愛いてるてる坊主ぷりんしぇしゅ、作ってもらうんだから。
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