もう一人の住人

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「ヘへ。美味しそうでしょう? ボク料理得意なんだ」 「は、はぁ」 確かに色々な料理が並んでいて 美味しそうだ。 しかし、さっきから思ってはいたけど。 何だろう…… 気さくにというか見た目は雰囲気のある 美青年なのだがこれほどまでに その外見を裏切るかと思わずにはいられない言動。 ――このギャップは決して小さくない。 「アレ?えっと……あの子は?」 テーブルには二人分の食事しか 用意されていないようだけど、 そういえばさっきから姿が見えないし、もう寝たとか? 「あの子って?」 「あ……」 そういえば名前聞きそびれてしまった。 「多分、君の弟さんだと思うけど、 さっきまで此処にいた子」 「ん~~~?弟?」 彼はまた不思議そうに首を傾げる。 って――まさか子供とか言わないよな。 「だってボク、此処に一人で住んでるんだけど」 「は?いや、さっきまで確かにいましたよ」 それも家族だとハッキリいえるほど そっくりな感じの子が、とは力説したのだが。 「夢の話なの?ソレ。面白いね」 そう一言で片付けられてしまった。
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