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「じゃ、ご飯食べよう!いっただきマ~~~ス」
ニコニコと微笑む表情に
嘘や誤魔化しが微塵も感じられない。
――夢?あれが?
「………………」
いや、違う。
俺は自分の親指に視線を向けた。
あの子の口元を触った感覚がまだ指先に残っている。
そして―――
そこには小さな粒子が僅かに残って
光を宿したソレがキラキラと輝いていた。
窓から差し込む朝日で目が覚めた。
見ればまだ雨が降っている。
(もう朝か……眠い)
起き上がって暖炉の部屋まで行くも
ノーチェと遅くまで話したり
散々飲み食いをしたテーブルの上は
何の形跡も無く綺麗に片付いていた。
辺りを見渡したがやはり彼の姿が見当たらない。
(早いな。もう起きて片付けたんだ)
ヤレヤレ、此処に来てからどうもおかしい事ばかり起こる。
全然物音に気が付かないとか
まさかアレも夢だとか言わないよな。
それに家主だと言っていたが
少年との関係がイマイチ掴めないし。
「昨日の夜みた青年はあの子の一体何にあたるんだろう?」
「――兄だ」
「そっか、やっぱりそうだよな」
え??
今、誰が?
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