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「まだこんなことやってたんだ?」
老医者と孫娘が並んで昼寝する家の中に入ってきたタケルが、机の上に置かれた紙束を見てつぶやいた。
「お?タケルか。もうサリが帰る時間か?キヨ、キヨ、起きなさい」
一緒に昼寝することで孫娘の機嫌を取り戻した老人は、おそるおそる小さな肩をゆする。
「あいつもう帰っちゃったんだよ」
「なんだ?喧嘩でもしたか」
「俺がかぐやと話してるのが気に入らなかったらしくて」
女はみなそうなのか。先が短いながら覚えておこうと老人は肝に銘じた。
「キヨは俺が送って行くから」
「そうだな、それで仲直りをしておいで。子はかすがいと言ってだな」
「俺らの子じゃねえけど」
キヨはそそくさと身支度を整えると、さあ帰りましょうと言わんばかりにタケルの手を取った。
「あの薬はもう諦めなよ。そんなものが欲しいか?」
タケルは紙束を目で指して言った。
「ほうっとけ。わしのじいさんが作れたものが作れないのが悔しいだけじゃ」
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