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「うんちとおしっこの神様なの?」
「ううん。うんちからできた神様は、陶器ーーそうね、昔、おじいちゃん達と陶芸をやったの覚えてる? 土を焼いて、お皿と壺を作ったでしょう? あのお皿や壺の神様になったの」
「そっかあ。お皿を焼く前の土、うんちみたいに柔らかかったもんなあ。じゃあ、おしっこは?」
「水の神様と、温泉の神様になったのよ」
「冷たいお水と、あったかいお湯? 神様、二人になったの?」
「そうよ。イザナミ様のおしっこから、二人の神様ができたの。おしっこは温かいから、温泉の神様になるのは分かるけど、冷たいお水の神様になるの、不思議じゃない?」
「うん、不思議。なんでー?」
母から返事はなかった。私が目を開けて横を見ると、母はすうすうと寝息を立てていた。
私はブランケットを取ってきて、母にかけてあげた。
外から聞こえる雨音を聞いているうちに、私も眠ってしまった。
一晩寝た私と母は、お互いに質問の答え合わせをするのを忘れてしまって、結局どうして冷たいお水の神様ができたのかを母から聞くことはできなかった。
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