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ほぼ強制的にお風呂から出された私は、服を着ようとして…その手を止められる
「どーせ脱ぐのに着る必要ある?」
タオルで私の身体を拭いてくれた海吏が、そのまま抱き上げて寝室まで連れていってくれる
いつもなら─…凄く幸せで、海吏の首に手を回して大喜びするところだけどっ、今はそんな風に思えなくてっ、
『海ちゃん降ろしてっ、服着たい…寒い』
「降ろさない。服なんて着なくても俺が温めてやる」
──…やめてっ、
『先にご飯食べよう…?お腹減っちゃって、そーいうことデキないっ、』
「ご飯要らない、芹が食べたい。デキなくない、お前は何もシなくていーよ」
海ちゃん、海ちゃんっ、お願いだから…今はそっとしておいて…そーじゃないと私っ、貴方に酷いことを…言ってしまいそうになるっ
『ねぇ…海ちゃん、お願いだからっ、』
「あぁー…もう、うるせぇな。萎えんだろ、ちょっと黙れよ」
強引にキスをされた瞬間─…
私の中で何かが弾けた
『─…んぅっ、いやっ!ヤメてってばっ!!』
覆いかぶさってきた海吏の身体を力いっぱい押し返し、抵抗の意志をみせた
「………は?芹、どーしたんだよっ、何で、」
『海ちゃんっ…ちょっとウザいよ。私ヤメてって言ったよね?どーしてヤメてくれないのっ』
あー…傷つけてしまった。
顔を歪めて悲しそうな顔をしている海吏を見て
私も涙が溢れた。
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