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海吏に車を降りろと言われた芹菜は─…
大人しく車から降りてキョロキョロと周りを見渡してみる…けど、
「─…何シてんだよ、死にたがり女。早く乗れば?地獄行きツアー…連れてってやるよ」
─…死にたがり、女?
っえ…それって、
助手席に乗ってもいいってこと?
恐る恐る助手席のドアを開くと、運転席から私を見つめる海吏の姿があって─…
その目が"早く乗れ"っと言っているので慌てて助手席に乗り込みシートベルトを締めた
「…お前、その席ならちゃんとベルトすんのな。後ろに乗ってる時は毎回俺に注意されてんのに」
それは─…海ちゃんに"ベルトを締めろ"って言って貰えるのが嬉しいから…本当はワザと、締めないだけなんだよ。
心配してくれてるって…思えるから、何回も聞きたくて…いつも忘れたフリをしてるんだ。
死にたがりの席に乗りたい気持ちはあるけど、本当に死んでしまっては海吏と会えなくなってしまうので。助手席に座る際は率先してベルトをつけさせていただいております。
なんて、恥ずかしくて言えないけどね。
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