1436人が本棚に入れています
本棚に追加
/282ページ
嫁が心配で職場に乗り込んでみた件
『ふぁーあ…眠いなぁ、海ちゃん何してるかなぁ…って仕事か。仕事じゃ無かったら怖いな』
お昼すぎ、お弁当を食べて眠くなってきて欠伸をする。今日の夕飯は何がいいかな?海ちゃんに連絡してみよーかな?なんて、愛しい旦那サマの顔を思い浮かべるとますます眠くなってくる。
「こら、一ノ瀬。仕事しろよー」
──…いちのせ、って私の苗字ですが、、
当たり前ですが大好きな旦那サマと同じ苗字な訳で。いやぁ同じ苗字になれた日は…泣いたなぁ、ほんと幸せすぎて。めちゃくちゃ泣いた
ずっとずっと、私は海吏のことが大好きだったので。籍を入れることが叶った日…ほんとに嬉しかったんだ。
海吏とはもうずーっと、幼い頃から幼なじみだった。親同士が仲が良くて、将来は結婚するって勝手に決められていて。私はとても嬉しかったけど、海吏はずっと嫌そうにしてたっけ…─
「一ノ瀬さーん、これコピーお願い」
『あ、はいっ……』
海ちゃんのことを考えていると、私は周りが見えなくなるらしい。何度も名前を呼ばれているのに振り向かない…なんてことはザラにある。
その為職場では"一ノ瀬 芹菜 を一発で振り向かせられる人間は居ない"なんて言われてしまう程に、私は仕事に対してあまり意欲的な人間ではなかった。
最初のコメントを投稿しよう!