嫁が心配で職場に乗り込んでみた件

1/13
1436人が本棚に入れています
本棚に追加
/282ページ

嫁が心配で職場に乗り込んでみた件

『ふぁーあ…眠いなぁ、海ちゃん何してるかなぁ…って仕事か。仕事じゃ無かったら怖いな』 お昼すぎ、お弁当を食べて眠くなってきて欠伸をする。今日の夕飯は何がいいかな?海ちゃんに連絡してみよーかな?なんて、愛しい旦那サマの顔を思い浮かべるとますます眠くなってくる。 「こら、一ノ瀬。仕事しろよー」 ──…いちのせ、って私の苗字ですが、、 当たり前ですが大好きな旦那サマと同じ苗字な訳で。いやぁ同じ苗字になれた日は…泣いたなぁ、ほんと幸せすぎて。めちゃくちゃ泣いた ずっとずっと、私は海吏のことが大好きだったので。籍を入れることが叶った日…ほんとに嬉しかったんだ。 海吏とはもうずーっと、幼い頃から幼なじみだった。親同士が仲が良くて、将来は結婚するって勝手に決められていて。私はとても嬉しかったけど、海吏はずっと嫌そうにしてたっけ…─ 「一ノ瀬さーん、これコピーお願い」 『あ、はいっ……』 海ちゃんのことを考えていると、私は周りが見えなくなるらしい。何度も名前を呼ばれているのに振り向かない…なんてことはザラにある。 その為職場では"一ノ瀬 芹菜 を一発で振り向かせられる人間は居ない"なんて言われてしまう程に、私は仕事に対してあまり意欲的な人間ではなかった。
/282ページ

最初のコメントを投稿しよう!