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『進藤さん、うるさいです。名前で人を判断するの辞めてください、あとセクハラです』
「っは?!いや、冗談だろ?!本気にするなよ!!」
肩を叩いてきた同期の進藤 逸希さんを睨みつけてから、みんなの視線の先にいる自慢の旦那サマを私も拝ませてもらう
専務─…なんて、堅苦しい肩書きを背負ってバリバリ仕事をこなす私の旦那サマ、海吏サマが貢献しているこの会社は─…
紳士服、主にスーツなんかを製造、販売しているチェーン元の会社で…全国に展開している為、たまに出張で何日か家を空けることもある
まさに今、出張から帰ってきたという所だろう。昨日は海吏が留守だったから一人で韓国ドラマを夜遅くまで夜更かしして見ちゃったんだよな。あれはあれで楽しかったけど、おかげで寝不足で欠伸が止まりません。
『ふぁー…ねむいっ、』
海吏に背を向けて、バレないように欠伸をする
「一ノ瀬 芹菜…さん?」
欠伸をしたあとの間抜けな顔面のまま、慌てて振り返って再び海吏に目を向ける
──いま、私のこと呼んだよね?
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