三十五点の月曜日

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今朝、ウリ坊が二匹死んでいた。 道路のど真ん中で倒れ伏し、コンクリートに血がべったりと塗られている。 見るも無惨な状況、私は思わずバイクを停めて両手を合わせた。 なんて月曜日だ。 昨晩、大きなブレーキ音が鳴っていたが、これらが原因なのだろうか。 これら、としか言いようがない。 二匹のウリ坊はすでに死んでいる。 生き物ではなく、ただの物だ。 あれこれ思考を巡らせると、散歩中の老人と目が合った。 そういえば、通勤中だったのだ。 うっかり忘れてしまうところだった。 私はそっとその場を離れた。 午後、割り箸がおにぎりに真っ二つにされた。 鰹節のおにぎりを半分に割ろうと箸を入れたらさらに二つに割れた。 見るも無惨な状況、私は思わず手を停めて箸の破片を集めた。 なんて月曜日だ。 今朝、職場の冷蔵庫に入れておいたのがまずかったのだろうか。 そうでもしなければ、傷んでしまうというのに。 替えの箸なんて持ってきているわけがない。 箸を貸してくれなんて言えるわけない。 私は半分の箸でそのまま昼食を食べた。 帰りのバス、酔っ払いが席を占領していた。 大声で何か言いながら乗ったかと思えば、優先席で横になっていた。 見るも無惨な状況、私は足をとめずに後部座席へ向かった。 なんて月曜日だ。 原因はさっぱり分からない。ただ、不運が積み重なっただけだろうか。 素直に一日を終わらせてくれないのか。 私が何をしたというのだろう。 釈然としないまま、私はバスを降りた。 今日が終わる。一日がようやく終わる。 なんかもう、疲れちゃった。 空は燃えるような夕焼けが広がっていた。 明日も晴れる。それだけで心が軽くなった。 ただいま、明日も頑張ろう。
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