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「まさか、〝薬物〟!?」
「いや、ちげーよ!」
大鳥の盛大な誤解に、五十木は霊体ながら強くツッコミを入れる。もちろん、大鳥には一切通じていない。
「そうか、薬物のせいで気を失っているのか……。どうりでこんな気の抜けた顔に」
「言いたい放題だな!」
大鳥は身を翻し、何かを決意したようにハンドルを強く握りしめた。
「あなたを送り届けます……警察署へ」
「……は!?本当に待て待て!」
五十木の制止も虚しくタクシーは急発進し、五十木の霊体は路上に取り残された。
「いい加減停まってくれー!」
誤解を乗せたまま夜の街を駆けるタクシーを、五十木の霊体は必死で追うのだった。
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