花びら係?

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花びら係?

 桜の花びらが消えたことを不思議に思いながらも、無事に帰宅。 「ただいま~」 「おかえり。初日はどうだった?」  お姉ちゃんが出迎える。お姉ちゃん、今日は部活ない日かな。 「すごく楽しかったよ」 「よかったね~」 「うん」 「どうした? なんか元気ないでしょ?」 「元気だよ。でも……ちょっと考え事してるだけ」 「そう。ま、悩める女子小学生ですな」  お気楽そうにお風呂に向かうお姉ちゃん。 「あ、夕菜、先お風呂入る?」 「ううん、あとでいいよ」  私はソファに座る。  なんか……間違いない気がしてきた。  あんな変な現象、ゆめのぬいぐるみじゃないと説明つかない。  ゆめのぬいぐるみの効果は、誰よりも私がわかっている。  だって今、こうして現実が変わっているのだから。  私からすると、どこか世界がゆがんでるような気がして、ちょっとむずむずするのだ。  でも…… 「悠希くんかっこよかったなあ」  それはほんと。  明日も会えると思うともう楽しみで、だからなんだかんだで今晩はぐっすり寝ちゃいそうだ。  次の日、渚が丘芸術学園は、地面がピンクだった。  そして……相変わらず、学校の敷地内だけ、桜の花びらが降っている。  この異変に世の中はすでに気づき始めていた。  何台かの大きなカメラが回っていて、アナウンサーみたいな人がしゃべってる。  そしてどうやらネットでも話題になっているみたい。  家を出る前にスマホで見たら、S N S で写真を挙げている人もたくさんいた。 「こりゃ、綺麗だな。でも明らかに超常現象だね」  隣で声がした。やっぱり好きな声。 「あ、おはよう」 「おはよう夕菜。すごい花びらだな」 「うん、なにかおかしいことがおこってるね」 「だよなあ」  うなずく悠希くん。  でも、桜の花びらはきれいだし、濡れもしない。  だから変わりなく授業とかもやるだろうし、困ってる人もいなさそうだ。  ……と思ったんだけど。 「えー、桜の花びらがなぜかたくさんうちの学校に降っていることについてですが、このままだと問題があります」  先生が授業の前にそう言った。  問題? なんだろう? 「これ以上降ると、滑って大変です。業者さんを呼んで掃除してもらうことになりましたが、それでも降り続けるとなると花びらは積もります。なので、みなさん注意して歩くようにしてください。それと……他にもいろいろと気を付けないといけないことがあると思います。なので、各クラスから、花びら係を二人、選出することになりました」  は、花びら係?  クラスもざわついている。  確かに、そんな名前の係、聞いたことないもんね。 「花びら係、できたらまず一人は転校してきた西山さんにお願いしたいんですが、どうですか?」 「わ、私ですか?」  確かに、私何の係もやってないし……。  てことで私は答えた。 「やります」 「お、ありがとう。助かるなあ。そしてあと一人はどうしようかな……」  先生が迷ってる中、 「僕がやりますよ」  手を挙げたのは、悠希くん……!
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