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「待てっ!」 兵士が叫ぶと、犬が兵士に気付き、止まった。 兵士は身を投げ出して、犬に覆いかぶさった。 その瞬間、手榴弾が炸裂した。 閃光と轟音。 兵士の背中に、バラバラと破片が降りかかった。 そして、ふたたび戦場は、静寂に包まれた。 砲身を破壊された戦車のハッチが開き、ロシア兵が登降してきた。 戦闘は終わった。 うつ伏せの兵士の下から犬が這い出てきて、プルプルと体を振った。 そして、兵士の顔をペロペロと舐めた。 兵士のまぶたが、ゆっくりと開いた。 〜終〜
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