4

3/4

12人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
戦場に束の間の静寂がおとずれ、兵士たちの耳に耳鳴りが響いた。 だが、まだ戦闘は終わっていない。 戦車の砲身がゆっくりと動き、兵士が潜む建物を狙った。 犬を連れた兵士は建物を出ると、戦車の死角に回り込んだ。 そして、腰のベルトから旧ソ連製の手榴弾、RKG-3を手に取った。 犬は兵士を見ていた。 兵士が、棒状の何かを投げようとしていた。 犬は前足を伸ばし、プレイボウのポーズを取って尻尾を振った。 そして兵士が手榴弾のピンを引き抜き、渾身の力を込めて戦車に向かって投げると、犬は飛び出した。 「それを追っちゃダメだ!」 兵士は叫び、とっさに犬を追って戦車の前に飛び出した。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加