四 「一緒にいられることが楽しい」24

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四 「一緒にいられることが楽しい」24

 彼女は、お世辞を言わない。意に反することも言わない。過大に思いを表現しない。  彼女の言葉には嘘がない。ストレートに正直です。  僕にとって、彼女の存在は心そのものなんです。人であり続けるために必要な存在なんです。僕はラッキーでした。彼女と同じ職場にならなければ彼女の魅力を見つけることはできませんでした。僕にとっての求める魅力です。彼女の良さは身近にいなければ見えてこないと思います。時間も必要だと思います。長い間、一緒に過ごせたから打ち解けられた。彼女の真の思いを知ることができた。僕は噂を信じない。自分の目で、耳で、相手の行動を観て、自分に対してどう接してくれたのかで人を判断する。周りの評判が良くても自分にひどいことをした人は信じない。逆にどんなに周りの評判が悪くても、自分にとって優しい人なら好意を持つ。  人の判断は自分自身の五感で判断する。  簡単に言えばあなたが嫌いな人でも僕は好きになることもある。はっきり申し上げますが、僕は彼女を愛しています。心から尊い存在だと思っています。僕の人生に必要不可欠な存在です。彼女にも同じように思ってほしいといつも願っています。これからも、ずっと二人で、助けあえたら、支えあえたら、寄り添えあえたら、とても幸せなことだと思っています。明日のために、彼女が必要なんです。だから、これ以上、彼女を思い(わずら)わすような行為は(つつし)んでください。彼女を守るためなら、僕はどんな防波堤にでもなりますよ。と彼の告白と確固たる決意を聞かされ、私はすぐさまそんな敵対するつもりは毛頭ないことを伝えた。 「彼女の話を聞いて、杉田さんの話を聞いて、杉田さんの祖母の話を聞いて、みなさんに魅力を感じ、親近感をいだいています。みなさんをもっと知りたい。みなさんの力になりたい。できれば二人の誤解を紐解(ひもと)くひとかけらにでもなれたらいいなと考えています。ですから、もっと、もっと、いろんなことを聞かせてください。お願いします」  彼は彼女について愛情を持って語ってくれた。
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