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五 「人と人とがふれあえば、情ってもんが生まれるんだよ」8
神崎さんとの関わり合いで、彼女の世界は少しずつ広がっていくことになる。それは少なからず杉田さんとの関係が下地になっている。杉田さんの存在があったからこそ、人との関わり合い、外の世界への興味、自分の殻をやぶる準備ができたのかもしれない。
そして、神崎さんは彼女を女性として、紛れもなく異性として、目を向けた。
杉田さんとの決定的な違いだ。
彼女は異性として観られている自分を感じていたのかもしれない。それは嫌悪を感じるものではなく、照れくささや恥ずかしさが入り交じった、はじらいのような感情かもしれない。異性としてみられているからこそ神崎さんを異性として感じた。
とても微笑ましい気分になる話だ。
彼女が帰るとき、私にくれた言葉は、「またあした」でした。未来に続く大切な言葉です。
よし、明日もがんばろうと、両腕を空に向かって伸ばすほどの清々しさを感じた。
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