お空から飛んで来た話・・

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お空から飛んで来た話・・

結婚する前、私は彼に伝えました・・ 「子供ができにくい身体かも  しれないと・・」 そうしたら、彼は笑顔で私に こう言いました・・ 「それでもいいよ・・ ふたりの生活も楽しいさ」 私の実家は、街中にあります・・ 父方の実家・・つまり本家は、 山の中腹に位置しており 終戦後、昔の誰かさんの別荘を 買い上げたそうでした・・ 家の中をぐるりと囲む廊下・・ そして、何匹いるか わからないくらいの錦鯉が泳いでいる・・ 昔の家屋にふさわしく・・ 一番奥には仏間・・それも12畳ほどの・・ そして、仏間を取り囲む廊下からは、 市街地をパノラマで一望できる ほどの景色が広がっています・・ 数年前にそこを管理する父の弟、 つまり叔父さん夫妻が息子達がいる 県外の土地へ移り住んでしまいました・・ 当然のことながら、 本家は誰もいない空き家になりました・・ 私の父も仕事が忙しい方で、 そして、年齢も『自称ご高齢』と言っている ため、なかなか本家から足が遠のいていました・・ 今考えると、先のことを考えたくなかったのでしょう。 夏が近づいた ある日、父が私達夫婦に言いました・・ 「本家を見て来てほしい・・」と・・
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