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廊下の上には埃がつもり、
歩けば靴下の裏は真っ黒・・
雨戸を開けると、雑草が生い茂る庭・・
溜息がでる私達・・
「何で、私達だけがやらなきゃ
いけないのかな?」とぼやく私
「仕方ないよ・・僕たちが一番近くにいるし若いから・・」
と優しく話す主人・・
私達は・・
沢山ある部屋の窓を開け、風を通し、掃除を始めました。
日暮れまでに終わらせないと、
『別の意味で怖い』・・
そして、『高級焼き肉』のために掃除を頑張る二人・・
私は、一番奥の部屋の仏間に入りました。
仏間の一番奥に鎮座する大きなお仏壇・・
お仏壇は仏壇室に収められおり、
仏壇室は襖で仕切られるように
なっていました。
畳 二畳分程の大きなお仏壇の前に
正座をした私は手を合わせると・・
「掃除をさせてください・・
いいことがありますように」
と言いました。
ほこりをかぶったお仏壇を綺麗に掃除し、
造花を飾り、新しい缶詰めを置き
掃除を終えました・・
靴下は真っ黒・・
汗ばんだシャツ・・
ほこりをかぶった髪の毛・・
私達は、帰りにスーパー銭湯で汗を流し
約束の『高級焼き肉』を食べました・・
本家の掃除から、一年後、私は子供を出産しました。
生まれたのは『女の子』でした・・
娘はすくすくと成長していき、
片言ですが会話も成立するように
なってきたある日・・
私が見ていたテレビで・・
『子供は、まれに、
生まれる前の記憶をもっている
場合がある・・』
と言っていたことを思い出した私は、
何気なく娘に聞きました・・
「〇〇ちゃんはどこから来たの?」
娘は無邪気に答えました。
「おそらから とんできたの・・」
「お空から?」と私は再度娘に聞きました。
「うん、おそらからとんできて
ままの おなかのなかに、
はいったんだよ」
「そうなんだね・・」
と私は娘の頭を撫でました。
娘が続けて私に言いました・・
「○〇ちゃん おそらからとんできて
ままのおなかに はいったの・・
ぱぱとまま そのとき
おそうじ してた・・」と・・・
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