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お仏壇を処分するにあたり、県外在住の
叔父夫婦と近隣の従姉妹も本家に
やって来ることになりました。
私は、ご住職に言われた通りに
お供え物の御膳を用意しました・・
お位牌とお仏壇を処分する当日、
天気は快晴・・
ご住職と他お付きのお坊さん、
そして、職人さんのような方々が
2名程来られました。
私達夫婦と叔父夫婦、従姉妹は
仏間に正座をしました。
ご住職とお付きのお坊さんが
先祖供養とお仏壇処分のための
お経を唱え始めました・・
暫くすると、仏間が急に暗くなってきた
のに気づいた私達・・
私がふと外を見ると・・
あんなに晴れていた空が雨雲に
包まれ、雨が降り出したのでした・・
そこにいた誰もが同じことを
考えたと思います・・
ピカッ ゴロゴロ と雷鳴まで
響きだしてしまい・・
まるで、ホラー映画の一場面のように
外が荒れ始めたのです・・
私は、隣にいる主人に「これって祟り?」
と囁きました。
鳴りやまぬ雷と雨・・
薄暗くなった仏間・・
止まることのないお経・・
正直、怖いを通り越して、
恐怖を覚えました・・
ご住職のお経が終る頃・・
先程まで真っ暗だった空から
光が差し込みました・・
その瞬間、雨雲が風に流れ・・
空が明るくなりました・・
そこにいた皆は物凄く驚きました。
お経が終りいよいよ、お仏壇を移動
するための作業に入りました・・
私達は、お位牌と過去帳、小さな弥勒菩薩様
お釈迦様を風呂敷に包んだり、
お供え物をさげたりしていました・・
作業の方々が何やらご住職に話をしていました。
ご住職が私の所に来るといいました。
「この、仏壇は特殊な組み方をしており、
いわゆる、宮大工じゃないと組み立てが
不可能とのこと、一度分解しまうと、
再度組直すことができない・・
なので、仏壇の一部分、装飾品のみ
取り出して、菩提寺に収めたい
その他の分解したお仏壇はお寺で
供養をします」と言われました。
それを聞いていた叔父さんたちも
それに賛成して私達はご住職の
再提案を受けました・・
ガラ ガラ ガシャン・・
とお仏壇を分解する
音が響く・・
私は、その光景を見ながら、本当にこれで
良かったのかどうか、急に自責の念に
かられました。
すると、私の表情を見たご住職様から・・
「ほら、これを見て下さい・・」と
お仏壇の裏側に私を連れて行きました。
私は、お仏壇の裏側に回るとご住職
が指差す箇所を見ました・・
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