別離と出逢いは突然に

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時々吹くそよ風がとても心地よくて、大好きな季節なのに。 この虚無感は何なのだろう。 私、何かした??? 突然こんな仕打ちをされるようなこと、したかな? 今までの1年弱を振り返る。 推しのコンサートを一度優先させたこと? そんなのずいぶん前だし。 予定は伝えてたじゃん。 雅也だって、ドタキャン何度もしてるんだからお互い様だよね。 突然ドンっ!!と衝撃を受け、グレーのモフモフに視界を塞がれていた。 ほっぺはくすぐったい。 「グリ!ダメ!」 今度は黒ずくめのスポーツウェアの長身が走ってくる。 どうやら目の前のモフモフはワンちゃんで、頬の涙の跡を舐めてくれているらしい。 「すみませんっ!この子いつもは人見知りで俺以外の人には寄り付かないんですけど…ちょっと油断してリードが離れてしまって」 「あ、動物は嫌いじゃないんで大丈夫ですよ」
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