あの三日月が…

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あの三日月が…

童話「空に輝く三日月が」登場キャラ紹介 1. くまの子 マロン 童話「空に輝く三日月が」の主人公。 くまの女の子。食いしん坊の元気な子。 ママとパパのことが大好き。 ただいま、三日月を食べることが夢。 2. マロンのママ マロンのママ。優しくてお料理が得意。 マロンとパパのことが大好き。 3. マロンのパパ マロンのパパ、優しい。ママの料理が大好き。 マロンとママのことが大好き。 🌛・・・・・・・・・・・・・・・・・・・🌛 どこかの森の小さい村に、マシュマロ色の小さなくまの女の子が住んでいました。 くまの子の名前は、マロン。くいしんぼうで元気な子。 マロンは日が暮れるまで、お友達と一緒に公園で遊んでいました。 「マロンちゃん、もう、夕方よ。お家に帰りましょう。」 道のむこうから、マロンのママが迎えに来ました。 お友達にもママが迎えに来て、お家に帰ることになりました。 「バイバイ! また、あしたね。」 マロンはオレンジ色の夕日に照らされて、ママと手をつないで帰りました。 ◇ ◇ ◇ マロンのお家は、赤いさんかく屋根のかわいいお家。 ママとお家に帰るころには、お星さまが出ていてすっかり、辺りは暗くなっていました。 「ママ~! おなかすいたあ。」 「ごはんが出来るまで、お部屋で遊んでいてね。ちゃんと、うがいと手も洗うのよ。」 「はーい!」 マロンはうがいと手を洗ってから、こども部屋でつみきをして遊んでいた。 ふと、窓の外に黄色い三日月が夜空に浮かんでいました。 マロンは窓に近よって行くと、大きな窓をあけて三日月をみあげた。 ぐう~っと、マロンのおなかの虫が鳴いた。 「おなか…すいたなあ。ママ、ごはんまだかな?」 マロンは、おなかをさすってまた、三日月を見てみた。 すると、あまりにもおなかがへっているからなのか。 三日月がみるみる、おおきな、おおきなクロワッサンに見えてきた。 「あーあ、あの大きいクロワッサンみたいな お月さまにたっぷりはちみつをかけて食べてみたいなあ!」 くまの子マロンは、ぺろりと舌なめずりをした。 それが、三日月に通じたのか。三日月は食べられては大変と もくもくと月によってきた雲にかくれてしまいました。 「あっ…お月さま。かくれちゃったーー!」 マロンは、泣きそうな顔をして空に両手を伸ばす。 その時、ママがドアをあけて部屋に入ってきた。 「どうしたの? マロンちゃん、ごはん出来たわよ。」 よびに来たママが、ふしぎそうな表情でマロンを見ている。 「ママ~っ! お月さまがねえ。」 マロンはママに、お空の三日月を食べたいことを伝えた。 ママはふんわり、パンケーキのようなやさしい笑顔でいった。 「あらまあ…お月さま、かくれちゃったのね?お月さまも気になるけれど。 ママのごはんもおいしいわよ~っ!」 「うん! ママのごはん食べる~」 「ただいまー」 パパもお仕事から帰ってきて、3人は丸いテーブルをかこんで夕食をとる。 ママは、お鍋に野菜たっぷりのチキンシチューを作り、 小さな三日月のような、クロワッサンのはちみつがけと レタスとゆでたまごのサラダを用意した。 シチューからは、ほこほことしあわせそうなゆげが立っていて。 とろりと甘い、はちみつがけのクロワッサンは、とてもいい匂いがしている。 ママの作るごはんはいつも、暖かくて優しい味がする。 マロンはママのごはんが大好き。「いただきま~す!」 パパもママもマロンも、シチューとサラダとクロワッサンをぱくつく。 「ああ~、ママのごはん。おいしい! しあわせ~」 「よかったね、マロン。パパもママのごはん大好きだよ」パパもにこにこ顔だ。 「うん!あ~、おいしかった!でも、やっぱりあのお月さまも食べてみたかったよー」 まだ、忘れられないマロンにママはいった。 「さあ、さあ。私のかわいいマロンちゃん。続きは、夢の中でね。 ちゃんと歯磨きをしてからベッドに入るのよ。」 「は~いっ、ママ」 マロンは、お気に入りの水玉もようの水色のパジャマに着替えて歯磨きをしてから部屋に行った。 「パパ、ママ。おやすみなさい」 「おやすみ、マロン」 「おやすみなさい、マロンちゃん。」 夜中、部屋に様子を見に来たパパとママは、ランプの明かりで照らされた マロンのしあわせそうな寝顔を見て、ふたりで微笑みほっぺにキスをした。 ベッドで眠るマロンは、夢をみた。 大きな三日月にはちみつをかけて食べる夢を。 さあ、念願のお月さまのお味はどうだったのでしょうね。 それは、くまの子マロンのみぞ知る。そんな、小さな村でのお話だよ。 ―おわりー
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