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『ふふふ……いいでしょう』  相手は得体の知れない存在。  最悪、人知を超えた魔法かなにかで邪魔されるかもと覚悟していた。  けれど実際にはビームで打たれることもなければ念力で締め上げられることもなく。  『カミ』はどこか満足げな声音で、わけのわからないことを次々と口走った。 『君が出発するには今がちょうどよい。周囲に気をつけながら走ってくださいね。  ちなみに一つ警告しておきますが、君が今から経験するのは、今回のうちです。覚悟しておくといいでしょう』 「あっそ」  何を言ってるのかさっぱりわからないけど、今こいつとやりとりしている暇はない。  ランニングシューズを履いた僕は、紙袋と和穂のスマホを持って外へ飛び出した。
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